石榴の掛軸、母の作品です。秋らしいお軸を床の間に。 |
日本はやっと酷暑が終わったと思えば、秋雨前線活動真っ最中。肌寒いのにこの湿気。
そんな中店先には秋を感じる産物が並び始め、それを手に入れられる幸せにもまた感謝する日々。この夏は日本でめいっぱいスローライフを楽しみました。梅干しも漬けたし、糠床も大活躍。今は菌が大活躍してくれて本当に良い香りになっていて、今年の糠はすべて年越しができそうです。乾いた涼しい風になるまでもう少し楽しみましょう。梅干しと言えば昨年のものがまだ残っていますから、最近は青魚の梅煮をよく作っています。娘のお弁当にも便利でこれもまた日本の知恵ですね。
走り秋刀魚を塩焼きにせず、梅煮に・・・塩焼きは次回・・・ |
鯖も梅煮にするととても美味しくいただけます。小梅が梅煮にはよいそうです。煮た後まで崩れず、食べてももちろんおいしいのです。 |
菌活って、言うのだそうですね。素敵な生活の知恵です。日本は昔からそんな言葉がないころから、皆菌活をしていました。夏は糠漬けに、冷汁。糠も味噌も日本と日本人を守ってきてくれました。体が元気でできる限り、こうした日本文化は娘に見せるだけでも伝えていこうと思っています。そんな中、秋の気配を感じると、今度は秋の仕事が始まるのです。これぞ四季折々の恵み。そう、まずは、栗。
何年も前に初めて食べた栗の渋皮煮。あの衝撃を今でも思い出します。そのころはもちろん母が作ってくれたものを私は出来上がった瓶詰をいただき、感動しながらも忙しさにかまけて作ろうともせず甘えてばかりでした。硬い栗がしっとり柔らかく形を崩さないまま、綺麗な藍色鳩羽色のシロップとともに出来上がった渋皮煮は贈り物にも最高です。前夜から準備を始めて、翌日はキッチンにこもりきりの長い作業ですが、こういう仕事も自己昇華、そこまで大げさではありませんが、一つの集中作業が、癒しにもなります。母の渋皮煮は本当に美味しくて、完全殺菌された瓶に多めの砂糖だけで煮ただけのその栗は、一年経ってもまだ食べられるほどの保存食でもありました。
前夜に湯の中に付けてひとばん放置した栗は鬼皮がやわらかくなっている・・・・はず。 |
小さな山栗は鬼皮をむくのが大仕事です。渋皮は傷つけないように。 |
重曹をたっぷり入れたお湯の中で数分茹でては煮こぼして・・・これを三かい繰り返します。 |
一昨年前に作った自家製モンブランケーキ、カップケーキにも栗を入れて。渋皮煮をピュレにして生クリームを加えます。すると綺麗な鳩羽色をした、無添加クリームができあがります。 |
この小さめの栗は大きな栗よりも甘みもあって私は大好きなのですが、渋皮煮を作るには鬼皮をむく作業がとても大変です。渋皮を傷つけないように向く作業は、コツと、集中力、また、忍耐も必要です。傷のついてしまった栗。また、何度もゆでこぼす作業の途中で壊れてしまったものは、(しかし、この小さめの山栗は大振りの栗より壊れません。不思議です)栗ご飯にしていただきました。赤米を混ぜたほんのりピンク色のご飯に、渋皮つきのゆでられた栗の鳶色に似た色がよく合って、見た目にもおいしそうでした。
ゆでこぼす最中に壊れてしまった栗や、作業途中で傷ついた栗を使って栗ご飯も楽しみました。 |
完成は間近。栗のシロップは濁っていない、綺麗な藍色鳩羽色になりました。 |
殺菌済みのガラス瓶にしまいました。 |
白砂糖は悪者の代名詞だけれどこと、栗の渋皮煮には大事な材料です。 |
小粒ですがしっとり仕上がりました。形はしっかりしていても柔らかな栗の出来上がりです。 |
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