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2015年8月9日日曜日

特集その1.スローライフの勧め。祖母から伝わる我が家の梅漬け

今回は、リクエストにお応えして、我が家に伝わる梅漬けを公開いたします。
梅干し、糠漬け、味噌やその他の保存食。最近では、絶滅危惧食文化とも、言われています。
和食が世界遺産と、もてはやされますが、私はこういった家庭の保存食こそ本当の意味で、後世に伝えないといけない和食だと感じています。

未熟者の私からの発信ですが、祖母から、母や叔母たちへ伝わってきたこういった、昔ながらの小さな伝統を、私も娘や興味を持ってくださる方に伝えていければ、また違う意味での私の、スローライフの醍醐味と感謝しながら、今回このブログを投稿します。

追熟が進んだ小梅たち。そろそろ準備が整ったようです。

今後は、特集として季節の保存食、我が家に伝わる、また、祖母が作ってくれた素朴な食事や、母が虚弱だった私のために忙しいながらもできるだけ手作り、また、アイデアを加えて作ってくれたものを随時紹介できたらいいなと、思っています。

では、さっそく記念すべき第一回目は・・・・・

土用干し不要の梅漬け!です。

用意するものは

完熟小梅・・・・・1kg
焼酎、またはウオッカなど、アルコール度35度以上のもの霧吹きに入れて適量
粗塩・・・・・180~200g 梅の全量の18%~20%

梅をつけるときは、一度にすべての作業が終了しません。そんな気長に行うスローライフ作業こそ、私には心の癒しです。

小梅がベターですが、もちろん大きな梅でもそこは好みでどうぞ。

梅は6月上旬になると店先に売られ始めます。青い状態で売られていることがほとんどですから買って帰ってきてから追熟を行ってください。
自家製の梅の木からもぐ場合は落ちている梅は絶対に使わないこと。と、祖母や母から教わりました。何故か・・・・不思議です。きれいに見えていても一度地面に落ちた梅は梅の神様が長い期間塩の中で眠らせられるのを嫌っている子だからそういう子を一緒に付けると梅漬けが美味しくなくなる。のだそうです。なんでもそうですよね。嫌々やると、うまくいかない。嫌々勉強しても頭に入らない。嫌々生きていても、決して幸せにはなれない。そんな隠れた人生の意味を都度教えてくれた祖母の信念。私は幼くてたくさんのことを学べなかったけれどそれを伝えられた母が私に残してくれた教えは、娘に教えていきたいと常々感じます。
さて、その梅を家に持ち帰ってきたら、ざるなどに並べ風の通る日陰で、まずは休息していただきましょう。青い色が毎日おはようと声をかけるたびに少しづつ色づいてきます。その色の変化も言葉に表せない自然の美しい色で、本当に癒されます。
追熟前はこんなに青い小梅たち。袋から出してざるに移動します。一緒に写っているのは農家から頂く糠です。糠漬けようです。


小梅は追熟に時間がかかります。色づいているのは南高梅。ブランデー漬けと、ジャムにします。
黄色く、少し赤くなったら、準備ができたしるし。第一の工程塩漬けです。
でも、あわてないで・・・
その前に・・・・小梅の場合は2,3時間、大きな梅の場合は一晩水につけて灰汁を取ります。

水から取り出した梅は、綺麗な布、キッチンペーパーでしっかり水気を取り去ってください。少しでも水が付いた梅を使うと黴の元です。
水気を取りながら、梅の捥ぎ口に残っている蔕を、丁寧にとります。これも省略すると、なぜか絶対にうまく梅が漬からないそうです。傷をつけないように丁寧に取り去る作業。なかなか集中力と丁寧な作業が求められます。爪楊枝の先で取り除けますが梅に傷がつかないように私は楊枝の先を少し切り取って作業をします。

すべての梅の水気と、蔕を取り除いたら、漬け容器、(現代はジッパー付の、プラスチックの袋がとても便利です)に、焼酎を吹き付けて、梅を入れます。梅全体にも焼酎がいきわたるようにさらに焼酎を吹き付けて、お化粧します。袋の中で梅をもみほぐすように転がします。力を入れず梅を傷つけないように丁寧に作業します。

梅がしっとりと焼酎で濡れた感じになったら、余分な焼酎を袋から捨てます。
今度は塩を梅の中に入れます。塩も、私はいつもこだわります。日本は塩の国。さまざまな粗塩が手に入る素晴らしい国です。その中で自分の感性にぴっ!ときたものを選び梅に加えてください。
梅全体に塩が、まんべんなくいきわたるように、優しく揉みころがしながら。これで最初の作業は終わりです。

プラスチックの袋の中の空気をできるだけ抜いて真空に近い状態にして、日の当たらない涼しい家の場所で休息させてください。

梅の完熟状態にもよりますが、数日から一週間たつと梅の中に水分が出てきます。梅酢と呼ばれるもので、宝の水です。
梅酢に梅全体がすっかり浸かっていたら次に進みます。

ステップ2
材料
赤紫蘇・・・・・葉だけの状態で100g
粗塩・・・・・・・20g
梅酢・・・・・・・カップ半分
この時には赤紫蘇を必ず用意しておきます。

叔母の畑からいただく表が緑、裏が紫色の紫蘇です。青紫蘇でもあるのですが塩でもむと大変綺麗な赤い色になります。

梅酢を袋の中から計量カップに半分くらいとります。赤紫蘇は、よく洗ってしっかり水気を切り、太い固い茎は取り除きます。葉の状態だけで100gを用意します。その葉をビニール袋に入れて塩の半分10gを入れて紫蘇をよく揉み、なじませます。
20分くらいすると、葉が柔らかくなってきます。しっかりとビニール袋の中の紫蘇を絞ると真っ黒な灰汁が出ますから、手に付かないように捨てます。残りの塩をさらに加え今度は袋の外からひたすら揉みます。紫蘇がだんだん柔らかくなってきてまた灰汁が出てきますが、不思議・・・・今度は赤い灰汁です。きれいな赤い灰汁なので是非目で楽しんでくださいね。
しかし、その灰汁は捨ててください。しっかり水分を取った紫蘇に梅酢を加えます。さらに手でもむと赤い紫蘇がより赤く見事な赤紫蘇になります。
その赤紫蘇を梅の入っている容器、袋にそっと入れます。
梅に紫蘇が全体に載る感じに、紫蘇を置いていきます。

梅の中に上の紫蘇を投入しました。後は一か月休ませます。 

入れ終えたら、又、空気をできるだけ抜き、口をふさぎます。
これで、すべての工程が終わりました。涼しい暗い場所で一か月休ませてください。

その間時々、チェックしてむらなく色がつくように静かに袋をひっ繰り返したり、裏表を変えたりして、また、空気が入っているようなら都度空気を抜き、真空に近い状態を保ちます。

一か月後に、色つきや、梅が割れたり壊れたりしたものがないか確認してもし、実が割れたものがあったら取り除くとよいようです。
一か月たった梅。きれいに色が入りました。味もとてもフレッシュでまろやかです。塩梅はパーフェクト!
このままさらに、休ませて一年後が、食べごろです。今いただく梅は昨年のもの。梅漬けは時差作業。

2,3か月後が味もなじんで、自家製梅漬けの完成です。一年後が、食べごろという人もいます。また保存も問題なく可能です。私はまだ早い段階の赤紫蘇の香りが口いっぱいに広がる2,3か月後の梅が好きですが、たくさん頂けるものではもちろんないものですから、余計に大切に大事にいとおしくありがたくいただけます。

日本の古代からの素晴らしい知恵と教え。
いつも思うのは、こんなに素晴らしい日本の食文化を、なくすことは万罪にあたると、思っています。地球の劣化、人々のご都合利己主義、切れやすい現代人。そういう人を救えるのはもしかしたら梅漬けかもしれないな・・・と、ここ数年富に感じています。

                    梅漬けが地球を救う!

本当にそうなるかもしれません。
以上で我が家に伝わる梅漬けを、公開させていただきました。合掌

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