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2011年10月22日土曜日

にっぽん。。。。。。。。病院考

ロンドンに戻ってすぐに、日本の母が、大けがをした連絡を受け取りました。大急ぎで飛行機を手配して戻り、緊急搬送された病院へ。


母は御年83歳。毎年秋に開かれる大昔から趣味にしている俳句の大会に出席するために土曜日の朝、家から電車に乗って、近郊の大きな駅で、新幹線に乗り継ぐためにホームを歩いている時に、何らかのはずみでしりもちをつき年配の女性の三大大怪我、左大腿骨骨折。に、見事見舞われた。

駅最寄りの、休日緊急指定病院へ搬送され、駆け付けた娘とその父親に、担当医師が「お住まいが遠いようですから、もし、お近くの病院へ移りたい場合は紹介状を用意します」と、おっしゃってくださったと、まあ、なんと親切な。が、第一印象だったはずなのに・・・・・・

日曜の午後この病院へ私が駆け付けると思ったより元気そうな母の顔。上半身を90度に起こして、本などを読んでいる。でも、足はベッドにそのまま置かれている。「痛くてね・・・・」と、一言。でしょう・・・折れた足をベッドの上に放り出されたまま、足をつって持ち上げるどころか、足枕さえない。電動ベッドで勝手に自分の好きな時に好きなだけ上半身は起こせるものの、後になって転院してから医師と看護婦に驚かれ、60度までしか起こしてはいけない・・・らしかった。

私のこの緊急指定病院の第一印象は、整形外科患者が入院しているにもかかわらず、トイレの段差や玄関の狭さ。ナースルームの目の前の部屋に置かれた母の部屋からは看護婦の一挙手一投足が手に取るように見える。ナースコールがなっても部屋の番号を目視して、あ、またあの部屋ね・・・みたいに、そのまま無視。声掛けどころか様子も見に行かない。

遠いのもそうであるけれど、一日いていろいろ見ただけで、母をこんなところへは置いておきたくないと、実感。すぐに転院することに家族で決めた。

初めに医師から親切なお言葉いただいていたし、転院したい旨を伝えた時のこと。まず、看護婦に話をした。その看護婦はそんな話は聞いていない。というような態度。なので、先生のほうから初めにそういう話をいただいたのですが、と言うと、では先生に話をしてくださいと、にべもない。では、先生にお取次ぎをとお願いすると先生は忙しいんです!(でも、24時間忙しいわけじゃあないでしょ?)
家族としては、とにかく痛がっている母の痛みを取るのが優先ですからいつ手術をしてくださるのですか?それによっては転院は考え直しますけれど…と、言うと「そんなねぇ、2,3日中のうちに手術なんてできないんですよ!」と、怖い顔で言う。(そういう言い方ってどうなのよ!)

その日の夕方6時半頃その看護婦が私のところへきて「先生は6時半から会議です。忙しいのですが時間を作ってくれるそうです。今、少しでしたら時間がありますからお話しできます」と、恩着せがましくいう。

はじめてお目にかかる担当医師に『初めまして長女ですがよろしくお願いいたします』と言っているのに、「どこへ転院したいんですか!?」とそっけない。行きたい先の病院の名前(これがけっこうむずかしい)を、総称もしくは世間の人が省略していう名前を私が口にすると、「そういう病院はないし聞いたこともない」ときた。「え?皆さんがそうおっしゃっている名前ですので私も正しいお名前がわかりません」というと、「そんなねぇ、名前も言えない病院にどうやって紹介状を書けっていうの?」と言う。(え~~~だって、すごく大きな県内でも有名な病院なのに先生しらないのぉ~~?)と正直びっくり。
「で、先生の名前はなんていうの?」と又聞いてくる。

数年前に義母がやはり大腿骨骨折をしてこの転院したい病院で手術リハビリをした。おかげですっかりまた歩けるようになって、そんな経緯もあるし第一、プロ意識を持ったこの県内でも有名な病院になんとしてでも母を移して、また元気な母になってもらいたいというのは人情。その時の担当の医師の名前などもすっかり忘れてしまっていたのでそう聞かれても即答できない。

病院の名前も先生の名前もわからないのに転院したいの?それじゃあ紹介状なんてかけないでしょ!」と、のたもう。

(ええ、たしかに、、でも、同業者でこんな小さな田舎の地方都市。知らないはずはないでしょう?それでも、同じ病院の仕事をしている人??それともこの二つの病院の間には市が違うし高い壁があるのですか?)みたいな私の疑心暗鬼を感じたのか、もう一度その病院の名前を聞くので総称でしか私が答えられずにいると、居合わせた看護婦に、「聞いたことないよなぁ?知ってる?」と同意を求めるありさま。看護婦も「知らないですねぇ」と、さもさも、私が馬鹿のような態度。

「わかりました。明日までに一言一句間違わずに調べてまいります!大変お忙しい会議の前の時間に失礼いたしました!!」とその部屋を飛び出した。

帰りの電車の中で、数日のストレスやこの夜の、病院のこの態度に、わけもわからず涙があふれてきて泣きながら帰ってきた。始まったばかりなのにこんなことで自分がまけてはいけないと言い聞かせても、疲れと悔しさで翌朝は顔がはれてしまった。

この横柄極まりない病院。そのほかにも書き出せばきりがない。廊下を歩く練習をしていた患者に、誰も付き添わない。そのおばあさんがトイレの中で転がった。大きな音がして私たちも気付いた。ところが先ほども記述した通りトイレの入り口は狭くおまけに普通のドア。中でおばあさんが倒れてしまったためにドアを開けることができないのだ。そう、助け出せないのだ。

男の人が工具を持ってきてちょうつがいを外してやっと助け出すありさま。そのおばあさんはショックとどこか頭でも打ったのだろうか、吐いている。

母がもしも歩けるようになって練習しているときに同じ目にあったら…と思うとますます怖くてこんなところには置いておけない…と又思う。付き添いなしで勝手に歩かせるこの病院。どうなってるの??

そんなこんなで、この恐ろしい病院を通さずに、家族で転院したい病院にまずは電話をかけ、ソーシャルワーカーの方と話をした。天と地の差もあるような親切な応対。すぐに手配をしてくれて担当医師のすぐに転院してくるようにという温かい言葉をいただいてから、おぞましい病院を去ることができた。そんなすったもんだの段階があってけがをした本人は痛みと戦って一週間。ほんとうにかわいそう。

木曜日に転院したものの、これがまた最後まで言葉がない。おぞましいこの病院は介護タクシーの電話番号を私にくれて、そこへ電話をかけてこちらで依頼をして時間を病院へ知らせろ。という。そうしたらそれに合わせて出る準備をするからという。(なんだぁそれぇ~~!!??)もちろんやりました。だってそれをしなければ母をきちんと手当てする病院へ移せませんから。

新しい病院は、すぐに検査をし、ベッドへ母を寝かせて足を吊し、体も60度以上は起こせないからと私に指示。え~~、前の病院足をつるどころか勝手に上半身起せていました!と私が看護婦に言うと「え~!!」と驚く始末。

なにはともあれ、母を正規の手当てを迅速に行ってくれる病院に移せて本当に安心した。手術は来週の火曜日。と決まった。そのあとのことは今は考えない。一つづつ、乗り越えていかないといけないから。

最後に、そのおぞましい病院での出来事を、この際言わせてもらう。母の隣にいた患者さんは長年糖尿病を患われていて、数日前骨折をして入院してきたらしい。血糖値を毎日数回はからないといけないのだが、自分の手が使えないので自分で、できない。看護婦が、毎回調べるのだが数日前、器具を使わず針をいきなり、この患者の人差し指に挿そうとしたらしい。彼女が。。ちょっとちょっと、違うでしょ?と言っても、え?何が?みたいな・・・(ぞぉ~~~~)その看護婦さんは戴帽をしていた方なんですよ!
夕方、化粧のやたら濃い看護婦(こちらは戴帽はありませんでしたけれど)がやってきて、「は~い、オシッコとるからね~~」と、青いポリバケツを部屋の真ん中に、これから、雑巾がけでもするかのごとく注意も何もなく元気よく、置き、(そのバケツにはすでにどこかの部屋で集めた黄色い液体が半分くらい入っている)それを普通に部屋真中へ置き、母の部屋の患者の尿を袋から尿瓶にとり、尿瓶を患者の頭の上ではい、「何ccね~~!」みたいに声を出して言い、真ん中に置いてあるバケツへじゃ~~っと捨てるのだ。

花が大好きな母のために庭に咲いていた杜鵑草を、母の窓辺に持って行ったのだが同じ部屋の患者さんが大変喜ぶので母が転院する際に置いてこようと思い花瓶はさすがに持ち帰りたいので、看護婦に何か花を挿すものがあれば・・・・と聞いた。

やっと探し出して持ってきたのはいいが、「お花ねぇ・・・お水の中にバクテリアが繁殖して病院ではちょっと・・・」あ、そうね、そうだったわね。無知だった私は母の喜ぶ顔が見たかったばかりに転院するまで4,5日花を置きっぱなしだったけれど、そういう心配があったのね。ならば、すぐに言ってくれればよかったのに。ほかの患者さんも喜んでいたし、医師が回診に来ても母がいる間は何も言わなかったのに最後にそんなことを言われるとは・・・・
バクテリア?ばい菌??では、尿をバケツにじぁ~~っと捨てるのは?

物事にはピンからキリまで・・・とは、よくいったもの。一週間のうちに病院の見たくない部分をしっかり見させていただきました。(確かに重労働です。大変でしょう。でも、プロ意識はどこにあるのですか?見えない鼻だけ高くしていてどうするのですか?)

移った病院ではまず、家族の私たちの心の負担を軽くする話をしてくださいましたし、信頼関係をきちんと持ってくれています。

ロンドンから戻る飛行機の中で隣に座った方、彼女も日本の年老いたお母様の様子を見るために一時帰国なさる方でした。彼女のご主人がロンドンで、心臓の手術をすることになったのですがその時、怠け者でまじめに働かないイギリスの人。という印象しかなかった彼女。ところがロンドンの一流と言われる病院は、すべてのドクターとナースが無駄のないきちんとした仕事をするのに痛く感動したという話をしていました。プロ意識のある方はさすがだと。また、家族への心のケアと、扱いが半端なかったとも。おかげで日本ではなくとも、奥様、ご家族が全く不安なしに、ご主人の入院中安心して過ごせた。本物の医療を見た。とおっしゃっていました。

にっぽん!!いい加減、こういう本物に追従していこうよ・・・体裁や、見た目だけでなく心とか、本物志向の勉強や、見分を広めることをもっともっとしていかないと・・・医療だけでなく一般の私たちも・・・・


などなど、本当にいろいろなことを考えさせられる一週間でした。

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