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2012年6月30日土曜日

緩和ケア病棟

84歳の誕生日のお祝いをした後、翌週に母は入院になりました。森の中にあるターミナルステージの患者のための病棟。静かで、きれいな空気がたくさんある、まるで避暑地のような環境です。窓の外にはたくさんの緑。



今はちょうど夏鳥の季節で、朝晩には美しい声のシャワー。そんな病棟へ母は入りました。

前々から入院を勧められてはいたものの、私もそろそろ休暇が必要。母もそんな私の気持ちを察して、主治医の言うようにショートステイのようにしばらく過ごしませんか?との提案に、今回の運び。

もともと、一人暮らしだった母は、一人の環境は慣れっこ。加えてプロの集団が24時間いつも、見守ってくれている安心感は、私にとっても、うれしい限り。

家からそう遠くないこの病院は、昨年の骨折のとき、今年の腫瘍切除のときの病院に比べたら嘘のように近くて便利。毎日顔を見に行くのも助かる距離なのだ。

緩和ケア病棟は基本的に患者の自由が守られ、何を食べても飲んでも、(宴会はだめ。笑)また、許可さえあればどこにも外出できる。
面会時間も制限はあまりないし、普通の病院とは少し違う。でも、食事はやはり家のようなわけにはいかない。

母は食も細く、なんでも食べるとはいうものの、今となっては選り好みは多いし、食べやすくて口においしいものを、ほんの少しほしがる。

私も食事の差し入れを、できる限りしてあげたいけれども、義務とか責任感、強迫観念を持っては長続きしないことを知っているので、できるときに、作れるもので、かつ、母の好きそうなものだったときに、持参すると決めている。

一昨日は、アナゴのひつまぶしを持参。夏バージョンで、自家製山椒の佃煮、青山椒の塩漬け。茗荷、青紫蘇などを混ぜたり散らしたり。小さな重箱に詰めて持参。珍しくおかわりを所望。半分の量を食べてくれてうれしい限りです。でも、私に直接おいしいとは言わないんです。娘が後から来た時にママキッチンの料理はやっぱりおいしいね。。。ですって。

色紙卵、畑のきぬさや、でんぶも彩りにそえました。
また、母がここにいなくなって、時間が縛られないことは私にも必要だった癒し。でもあり、好きなだけベーキングに没頭した。一週間の間に、シナモンロール、マクロビオレンジマーマレードブレッド、オートミールクッキーなどを焼いて、自分の時間。
きつきつ。トレーの中で窮屈そう。

マクロビレシピでもチョコレートチップを追加。自分へも甘やかしも必要


クッキージャーが満たされれば心も満たされる?


イギリスのママからの美味しいマーマレード。

マクロビレシピだけれどおいしくできました。レディグレイの紅茶葉も加えました

綺麗に盛り付けて目を楽しませるのも癒し。

今朝はミニパンケーキを焼いた。夏の装いで、グレープフルーツと庭のミントを添えて。


もちろん、クレムフレッシュ、そしてラズベリージャムを添えて。
忙しい毎日でもなるべく手作りで自分の心の声に聴いて食べたいものを、食べるように心がけることも心を強く保つ秘訣かもしれない。今、私が壊れるわけにはいかないのだ。
時間のある時に保存できるものを多めに作っておく。野菜のマリネ。

皮付きのままオーブンでじっくり焼いて。皮を取り除いてマリネにします。
残り物で作ったキーシ。いつものキーシに塩漬けのケーパーと味噌漬けの大蒜をペーストにしたものを卵液に足してより味わいのあるキーシになりました。冷蔵庫から出してすぐに食べられる食事。助かります。
贅沢にアーテイチョークをどっさり。これも自分への甘やかし!



母はもうよくなることはない。日に日に少しづつ弱っていくことはあっても回復することはない。日によって気分が良かったり、悪かったり、この病気はそういうものらしい。
母の病気は、癌の中でも珍しいものらしく、なかなか予測が難しそうでもある。けれども痛みは確実に増幅しており、痛みどめの回数もずいぶん増えている。また、薬との間隔が縮まっていることも確実である。薬の回数が増えれば気分の悪くなることも多くそれを見るのが本当につらい。
小さな体を震わせて、苦しそうな姿に昨日は私もとうとう、我慢の糸が切れてしまって夜、涙した。もろもろの感情を涙と鼻水で強制排出。少し気分が晴れた。そして、目の周りも腫れた。

どうあがいても、待っている現実は一つで、それが近い将来起きる。心を平常に保とうとバランスを、とるのが難しい。

たくさんのお菓子つくりはその落っこちそうな心を平常の場所に戻してくれる日常生活のアクションなのだ。そして、おなかを手作りお菓子で満たして、今日も頑張って母に会いに行こう!


今後ますます辛くなる時間を、パニックにならない自分でいるために、しっかり現実を受け止めながら、歩き続けないと・・・・頑張れ私。

2012年6月17日日曜日

誕生日

母を思って選んだ花をアレンジ
梅雨になって心身ともにお疲れモードに、なっています。家に病人がいるということは、思いもかけないことも起きます。というのも娘がやはりずいぶんストレスを抱えています。

おばあちゃんっ子ではありますが、やはりそこは昔から一緒に住んでいたわけではないし、彼女も自分自身のことで悩みや、悲しみを抱えているところへ持ってきて、母親の私が疲れ切っていることがさらに、堪えるらしく・・・・・・

ここのところ、二人ともお疲れ気味。まいりました。
正直、自分自身の限界は、もう過ぎているようです。

先週また、病院へ母を連れて行ってきたのですが、入院を勧める医師に、母は、
「娘が、行けといえば、いつでも、入ります」と、言う。
まるで、私がもう、面倒みられないから入って。と、言うのを待っている、もしくは私を悪者にして入るのが自分にとっても簡単な言い訳になるからだろうか。

私は、面倒を見たくないわけではない。ただ、家族総倒れになるのが困る。

母はこんな風になる前は、気丈で、子供の面倒には及ばない。一人で頑張って最後は病院でいい。と、いつも、豪語していた。けれどその実、自分が当事者になった今、自分から病院へいくとは、絶対に言い出さない。(今のところ)

娘曰く、「ママが甘やかして面倒見すぎるから、居心地がいいもの。ここを出たくないはず」
と、言う。そうなのだろうか・・・母は、私には「自分だって我慢しているんだ」と、声を荒げることもある。病気だから仕方ない、かわいそうと、接していたけれど、やはり自分を大事にすることを忘れていたかもしれない。

先週の病院での主治医も、「ここを、ショートステイのように使っていいのですよ」と、おっしゃったけれど、そろそろ、考えないと。デイサービスで、お風呂のサービスを受けさせたいけれど、気持ちが悪くなれば嫌。とか、一日中椅子に座っているから疲れる。などと、まるで子供。

庭に咲いた十薬の花、かわいい。
確かに最近薬の量が増えた結果、食欲が落ちて、またそこに投薬。で、気分が悪くなって嘔吐も増えた。そんな、気分になったらデイサービスで嫌だというから、それは気持ちとしてよくわかる。
だからこそ、プロのたくさんいる病院へ預けるのがいいのかもしれない。お風呂も入れてもらえるし、気分が悪ければ、対処もしてくれる。

それらを、母に、どう伝えてわかってもらったらいいのか、それも、今、私の中での葛藤なのだ。

私が悪者になれば一番簡単でも、その後の気持ちを、立て直すのに時間がかかるだろう。
いつ、どうなるかもしれない母をの関係を悪いまま終わらせたくない。

そんな私の気持ちを察していているのか、できるだけ、ここでわがままを言っているほうが本人はいいに決まっている。

そんな中、先週末84歳の誕生日を迎えた母。いつ死んでもいい、ここまで生きたのだから…というけれど人間の本質はやはり生きていたい、生きたい、という、欲求の塊なのではないだろうか・・・・・
自分が、その状況にならない限り答えは見えないだろうけれども、、、、

それこそ、最後の誕生日になるやもしれないこの日。私たちはできうる限りのことをした。花、カード、ケーキに、手毬寿司。

イギリスの友人からも誕生日カードがとどいた。俳句の生徒からも・・・・

母は84年間の中で最高の誕生日と、言ったけれど、それならば私たちも本望だ。

土曜日が本来の誕生日だったけれど、娘の休みが金曜日だったのでその日にささやかなお祝いをした。

母が好きなチーズケーキをまた焼いて、(今回はベークドチーズケーキ)クリームチーズだけだとこってりしすぎるかと、母の胃を思って、コテージチーズも、加えてあっさりと焼き上げた。

イギリスの友人のアイディアで、辰年生まれの母のために、辰の絵を、ケーキに取り入れることにした。でも、チーズケーキだと描くことしかできない。辰の絵という難しいテーマのため、どうしても描くとなると漫画のようになってしまう。それでも、そこはご愛嬌で、こんなかわいい辰が登場となりました。



俳画の、師匠である母にはとても恥ずかしい絵ではありましたが、それでも、びっくりしたようで、よくかけたと、喜んでいました。


あまり沢山、食べなくなった母には、大好物のしめさばと、スモークサーモンの手毬寿司を、用意。


数日前に仕込んでおいた青山椒の、塩漬けが、しめさばととてもいいアクセント。


新玉ねぎのマリネはスモークサーモンと、とてもよい相性。もちろん、ケーパーも載せて。
サーモンの寿司飯は乾燥ディルを混ぜ込みました。
久しぶりに母もそれぞれ二つずつも食べられてよかった。
寿司は家で作ったものが一番。
しばらく、私も疲れすぎていて、母に強く当たることもあって、自分が嫌になっていた。もちろん、今だってそう。ずっと我慢している何かを娘も感じ取って、それが彼女のストレスの一因になっていることも事実。

ママ、僕もおめでとう!って、おばあちゃんに言ったよ!
誕生日も終わったことだし、そろそろ、母もホスピスに行くことを考えてくれるといいのだが。やれやれ。

2012年6月7日木曜日

レアチーズケーキ。An unbaked cheese cake


久しぶりに、チーズケーキを作った。久しぶりに、こってりクリームチーズ、生クリーム、そしてクレムフレッシュ入り・・・・・・


ずっと、マクロビスィーツ続きだった我が家。娘はあきれるわ、母は…まあ母は、食欲があまりここのところないので、何を作ってあげても、あまり食べない。でも、食べないと毎食後に飲まないといけない薬が胃に障る。

本当に薬漬けとは、かくも厄介である。これが嫌で母は80歳を超えてもなお、病院嫌いを通していた。
このことは「55歳からの人生を楽しく過ごす方法」の本の中にも書いてある。おいおい、投稿していこうと思う。

母の俳句の仲間、そして生徒が、お見舞いを兼ねて訪ねてくることになったので、久しぶりに、夏らしくさっぱりなケーキを作ろうと思った次第で・・・・・

私のレアチーズケーキは、クレムフレッシュを加えること。これでさらに濃くのあるおいしいケーキになります。
ヨーグルトはしっかり水を切って…マクロビスィーツならお豆腐を足すのかもしれない。それはのちに試してみようと思っている。


庭のミントを添えて、彩も味も初夏を思わせるケーキ。イギリスのマクビティダイジェスティブビスケットを、ベースに。


母が仲間と楽しい時間を過ごせてよかった。それが何よりな一日でした。

2012年6月2日土曜日

頑張りすぎずに頑張る。塩麹が元気の源?

夏らしい真っ赤な花が叔父から届きました。家の中よりも外が好きな花です。
出来そうでできないちょうどいい加減の狡さ。手抜き。母の余命の宣告を受けてからとにかくできることをやろうと気負いすぎた。ここへきてどっと疲れてしまった。

ストレスが高じると、数年前から現れるようになった症状。左の頬がぴくぴくとけいれんする。無意識に動いてしまうのでとても不快だ。いつも頬をにっこり笑った状態に引き伸ばし、頬の緊張をほぐしながら過ごしている。目もよく見えなくなる。

目がぴくぴくすることは昔からあったし皆が普通に疲れると現れる状態なのだが、この顔、頬のけいれんは本当に不快だ。

頑張りすぎないことを頑張って・・・・と、私をよく知る人から言われた。完璧主義、何事も手抜きをせず、一日中バタバタ走り回る。よくも、そんなに動けけるねと、母からも言われる始末。はぁ~と、休むとそのまま動けなくなりそうで、ついつい何かしらしている自分。
休む時は本当に何もしないで一週間なり十日なり、家でないところでくつろぐことはできるかもしれない。でも、家ではそれができない。家事とは終わりのない作業。くわえて母がいる毎日。休む暇などあまりない。こうしてパソコンにでも向かっている以外は・・・・

そんな中でも倒れることなく動けるのは、やはり昨年来続けている塩麹パワーか?と、思っている。
いいことづくめの麹パワーでこうやって頑張れるのかもしれない。

朝、おなかの中が空のときに塩麹をほんの少しとるのが良いと聞いた。黒酢黒豆も、何年も続けている私流自己健康食品。この黒豆2,3粒に、塩麹を小さじ三分の一位をのせて、水を飲んだ後に食べる。さすがに、毎朝はできないけれど思い立った日には、これをいただく。自己強迫しないこと。これが何事も長続きの秘訣かもしれない。でも、こと日常の家事となるとそれができない。矛盾しているのだ。

決しておいしくないけれど不思議と塩麹の塩辛さと黒酢のくせが時間とともに発酵された麹とマイルドな黒酢になった加減がくせになる朝のおめざなのだ。

私の叔母などは味噌汁にこの塩麹を垂らして毎朝飲んでいるという。さすがにそれはやらないけれど朝この塩麹を食べることで腸の中に麹が浸透していく感じで、便秘知らず。

塩麹は熱に弱いと聞いたので、なるべく生の状態でいただく。ドレッシング、つけだれ、漬物がやはり今の旬である。
豆腐、アボカド、ラディッシュと、ルコラのサラダ。

基本のドレッシングは塩麹小さじ1、ガーリックオリーブオイル大匙1、酢大匙2、胡椒。そこにアレンジ次第でいろいろな味にします。今回はフレンチマスタード、オイルつけの大蒜を刻んだもの、を足しました。

おなじみの煮豚の塩麹漬け、今回はもも肉で、脂身が少ない部位でもおいしくできます。

ボンゴレスパゲティには最後に塩麹を載せて

チェリートマトを天日干しにして、ドライトマト制作中。サラダのお供に欠かせません。
おいしく食べて元気でいないと、、、まだまだ試練は途中、ばててるわけにはいかないのです。