今はちょうど夏鳥の季節で、朝晩には美しい声のシャワー。そんな病棟へ母は入りました。
前々から入院を勧められてはいたものの、私もそろそろ休暇が必要。母もそんな私の気持ちを察して、主治医の言うようにショートステイのようにしばらく過ごしませんか?との提案に、今回の運び。
もともと、一人暮らしだった母は、一人の環境は慣れっこ。加えてプロの集団が24時間いつも、見守ってくれている安心感は、私にとっても、うれしい限り。
家からそう遠くないこの病院は、昨年の骨折のとき、今年の腫瘍切除のときの病院に比べたら嘘のように近くて便利。毎日顔を見に行くのも助かる距離なのだ。
緩和ケア病棟は基本的に患者の自由が守られ、何を食べても飲んでも、(宴会はだめ。笑)また、許可さえあればどこにも外出できる。
面会時間も制限はあまりないし、普通の病院とは少し違う。でも、食事はやはり家のようなわけにはいかない。
母は食も細く、なんでも食べるとはいうものの、今となっては選り好みは多いし、食べやすくて口においしいものを、ほんの少しほしがる。
私も食事の差し入れを、できる限りしてあげたいけれども、義務とか責任感、強迫観念を持っては長続きしないことを知っているので、できるときに、作れるもので、かつ、母の好きそうなものだったときに、持参すると決めている。
一昨日は、アナゴのひつまぶしを持参。夏バージョンで、自家製山椒の佃煮、青山椒の塩漬け。茗荷、青紫蘇などを混ぜたり散らしたり。小さな重箱に詰めて持参。珍しくおかわりを所望。半分の量を食べてくれてうれしい限りです。でも、私に直接おいしいとは言わないんです。娘が後から来た時にママキッチンの料理はやっぱりおいしいね。。。ですって。
色紙卵、畑のきぬさや、でんぶも彩りにそえました。 |
きつきつ。トレーの中で窮屈そう。 |
マクロビレシピでもチョコレートチップを追加。自分へも甘やかしも必要 |
クッキージャーが満たされれば心も満たされる? |
イギリスのママからの美味しいマーマレード。 |
マクロビレシピだけれどおいしくできました。レディグレイの紅茶葉も加えました |
綺麗に盛り付けて目を楽しませるのも癒し。 |
今朝はミニパンケーキを焼いた。夏の装いで、グレープフルーツと庭のミントを添えて。
もちろん、クレムフレッシュ、そしてラズベリージャムを添えて。 |
時間のある時に保存できるものを多めに作っておく。野菜のマリネ。
皮付きのままオーブンでじっくり焼いて。皮を取り除いてマリネにします。 |
贅沢にアーテイチョークをどっさり。これも自分への甘やかし! |
母はもうよくなることはない。日に日に少しづつ弱っていくことはあっても回復することはない。日によって気分が良かったり、悪かったり、この病気はそういうものらしい。
母の病気は、癌の中でも珍しいものらしく、なかなか予測が難しそうでもある。けれども痛みは確実に増幅しており、痛みどめの回数もずいぶん増えている。また、薬との間隔が縮まっていることも確実である。薬の回数が増えれば気分の悪くなることも多くそれを見るのが本当につらい。
小さな体を震わせて、苦しそうな姿に昨日は私もとうとう、我慢の糸が切れてしまって夜、涙した。もろもろの感情を涙と鼻水で強制排出。少し気分が晴れた。そして、目の周りも腫れた。
どうあがいても、待っている現実は一つで、それが近い将来起きる。心を平常に保とうとバランスを、とるのが難しい。
たくさんのお菓子つくりはその落っこちそうな心を平常の場所に戻してくれる日常生活のアクションなのだ。そして、おなかを手作りお菓子で満たして、今日も頑張って母に会いに行こう!