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2012年12月1日土曜日

師走・・・来る、シュトーレンの季節

時間の流れの速さにただただ驚く毎日。今日から師走。恒例の師走寒波が来ている様子。曇りの土曜日。朝日は厚い雲の隙間からほとんど見えない。寒い。目前の山々は、うっすら冷たい雨が凍って白くなっている。



線香の 煙まっすぐ 師走くる・・・・・Kai Kamakura

母の仏前に毎朝供える線香の煙も朝の冷たい空気の中。まっすぐ立ち上っていく。今日も無事に過ごせますよう。心の中でつぶやく。

先月のひどい心身の疲れが少しずつ良くなっているのがわかる。昨日も病院で医師から顔色が見違えるくらいよくなっていると、褒められた。よかった・・・もう、大丈夫。

今年は生涯の中で最もつらい一年だった。自分を顧みずひたすら母のために動いていた。夏の終わりとともに、母との時間も終わってしまった。思い出に浸る間もなく今度は自分がくじけてしまった。
とにかくいろいろありすぎて、早く元気になりたくてもやはり動かないほうがいいときもあるし、時間の過ぎるのを待つほうがいいこともある。それでも、自分をだましながらこれ以上へこまぬように自分なりにお守りをした結果、やっと明かりが見えてきた感じがする。

11月・・・総決算が終わったと信じたい。今日から新しい気持ちで、例年とは違う静かな師走の始まりではあるが、それでも少し、家や心のすす払いをしながら、過ごそうと思う。
お祝いは無しの年末年始だが、ゆっくり心身を休めようと思う。

料理もお菓子つくりも本当にできない日々だったけれど、昨日やっとシュトーレンを、焼いてみようと、病院から戻ってキッチンにこもった。

春、母がまだいた時に九州のかんきつ果物、「ぼんたん」を、購入。高い果物ではあったけれど、母が喜んで食べてくれた。その皮を、もったいない精神で砂糖漬けに煮た後、今度はウイスキーに漬け込んだ。広島レモンも皮を同じように漬け込んだ。
かんきつ類の皮の洋酒漬けは、クリスマスのお菓子つくりには欠かせない。
干しブドウやカレンツ、ラズベリーは、ラムに漬け込む。

私はこういう重たいクリスマスのお菓子が大好き。特にシュトーレン。ロンドンでは10月にはもう店にたくさん並んでいた。日本ほど高くはないけれど、やはり自分で作ったものが一番おいしい。日本は本当に高いのでびっくりしてしまう。小さなローフが2,500円とか3,000円で売られている。この大きさなら5,000円以上ね(笑)

今年は、それらの洋酒漬けをふんだんに使い、フランス産のイースト、ロンドンからのマジパン、そして北海道産の小麦粉で、作ってみた。

牛乳の代わりに豆乳を使いどんな仕上がりになるか試してみた。豆乳でもイーストはしっかり発酵した。

ベンチタイムが長いので時間はかかるけれど、出来上がりを思えばそれも楽しみ。

一時間発酵させた生地を成形。これをまた一時間ベンチタイムで、休ませて焼く。

はちみつ入りのバターを、見つけてそれを焼き上がりに塗り粉砂糖をまぶす。真っ白な砂糖をまぶした途端に冬のお菓子に変身する。
綺麗に焼けました!こんなに大きなローフが二本も!500gの強力粉で。

まんべんなくお化粧させるにはクリングフィルムで包み、砂糖をくっつけるのがいいようです。

思いがけずロンドンから私の大好きなフレーバードティが届いた。このブラックカレンツティは私のお気に入り。前回ロンドンで探したけれど見つからなかった。それを友人が見つけてくれて送ってくれた。
冬のお茶と、冬のお菓子。



先週はアメリカのイベント、サンクスギビングウィークで皆がお祝いをしたようだけれど日本にはなじみのないこのお祝い。お祝いこそしないけれどこのとき私はいつも思う。私はどんなにか恵まれていると。つらいことも悲しいこともやってくるし体が悲鳴を上げることがあっても、たくさんの素晴らしい友人がいつも支えてくれる。そして自分を見守ってくれている、だから、自分を粗末にしないで一生懸命乗り越えなくては。。。と、痛感するのだ。

靴も洋服もない子供もいる国もある。私は家もあり、家族もいて(母はなくなってしまったけれど)素晴らしい友人もたくさんいる。暖かいお湯が出て、いつでも料理を作ることができ、おまけに大好きなお菓子も焼けるのだ。

辛い悲しいと文句ばかり言っては本当に罰が当たる。

この一年を振り返り自分がまた少し成長できた気がする。いくつになっても学ぶ、そして、許容する、自己反省をしてまた成長する。そんなおばさんを目指したい。

食欲も戻って料理もやっと楽しくなってきた。寒い12月を乗り切るためには脂肪を蓄積しなくちゃね。
 
美味しそうな切り口です。そしておいしくできました!
出来上がったシュトーレンとイギリスから届いたお茶で週末の朝を楽しもう。シュトーレンは少し寝かせたほうがおいしいけれど、我慢するのは難しいから・・・(笑)

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